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2010年7月中旬。今年の夏もまた、北海道に戻ってきた。フライフィッシングの聖地巡礼だ。
仕事を切り上げたその足で、羽田空港へと向かう。札幌に到着してさっそく、昨年から恒例にしているビアバー『バジルバジル』で至福の一杯を味わうのだ。
お店ではオーナーのアベさんが待ってくれていた。ことし4月以来の再会と、明日以降の釣果を祈念して、乾杯。


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「フィッシュ&チップス」とサッポロクラシック。絶妙。北海道に来たらコレです。


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蝦夷旧』でおなじみ、アベさんの51FL。


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そんなアベさんの最近のおもちゃ(笑)がメグロのカスタム。取り回しも軽やかだし音も比較的上品だった。飲みながらいろいろ話せて楽しかったです。




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明くる早朝。道東、某集落。


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いよいよ、決戦の地へ。昨年はたびたび襲われた不順な悪天候に振り回されたが、今回は打って変わって好天!


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そんな北海道の得体の知れない魅力が伺えるK師のランディング・ネットの大きさ。このサイズを覚えておいてください。


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この旅のために、#6の超大型のドライフライ「タークタランチュラ」を多数巻いてきた。昨年の「蛾デス」よりさらに一回りも大きい。


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急流の奥、ちょっとしたヨレからフライをキャスト。さらにもっと奥。倒木の陰にタークタランチュラを落とすと・・・・



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11:43
いきなりガバッ!!と出た!!5番ロッドがぐいぐいねじ曲げられて流芯に走る。強い。重い。初日一回目のフッキングから腕がパンパンに張ってしまった。


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42cmのアメマス。なんとも力強いラインの魚体!あのネットにピッタリ(笑)。



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午前11時に釣り始めて、13時を過ぎたあたり。

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ラインは5番のWT、リーダーは2X、ティペットは3X・・・だったのだが、2回目のヒット時にあっさりブチ切られた。恐ろしい。本州では考えられないやり取りのレベルなので、2Xのリーダーにティペットを1Xまで太くした。



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14:04!ヒット!
上の写真に見える倒木の巨大な根に小さなライズ。大きなタランチュラを放り込むと、激しく水しぶきがあがった。


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・・・この見事な尾びれ。


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46cm
40cm台がコンスタントに釣れる。驚愕。


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いかにも、なヒラキやプールには25cmクラスのイワナばかり(それでも素晴らしいのだが)。
#6のタークタランチュラは大き過ぎてこれらの魚は飛びついてもフッキングに至らず。





やはり河畔の倒木の陰に大物を捜す。





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15:10
小さなライズの主が、水に穴を開けてその姿を現した!
ついに、この日だけで「55cm」に到達。

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川の狼をみたことがあるか。


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パワフルなリールファイトに全身の血が沸騰する。
こんなかっこいい魚との邂逅にめまいがする。


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そっとリリースして川に帰し、河原でコーヒーを沸かす。清流での極上の一日が、過ぎて行く。


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夕食は里まで降りて、この食堂で。


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ココのエゾシカ・カレーが絶品!
至福の生ビールと共に。


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幻の巨大魚、イトウの保護をしている地域なので、次回はイトウ釣りも大いにありかも。



半日しか釣りをしなかったのに、過去最高の釣果であっと言う間に眠りの中に入ってしまった。


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翌朝(日曜)。川辺の空気は冷たく透明で、太陽の光は地面にまだしっかりと届いていない。
川のまわりで虫もハッチしておらず、当然、魚のライズも全くないようだ。



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3時間かかって晴れてきた。時計をみたらもう11時だった。しかしようやく、これから全ての生き物の活性が上がって行く気配を確かに感じた。



13:20。この日のクライマックスは、また唐突に訪れてしまった。



水深もあって速く重い瀬に、黒い沈み石があったので例の大きなタランチュラを流す。かなりの荒瀬だが、ぽっかり浮いて流れて行く。



そこに大きく飛び出してきた。



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下流に走られたら大岩にラインを切られて一発で終わる。リールのドラグは下品な程に唸りを上げ、ロッドは満月のように絞られる。ううーん、肩が痛い。日頃の運動不足が祟ってしまった。




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恐竜のようなアメマス、ついにゲットン!
このオスのツラ構えにホレボレする。


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53cm。イエイ。



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必殺フライと化した、タークタランチュラ。デカ過ぎて見切られるかと思いきや、逆に高反応に大きいトラウトを魅了。ちなみに、ドでかいヒゲナガ(カディス)が多数飛んでいたので、ラバーレッグを少々現場でカットして、巨大なカディスっぽくも見えるようにした。これも魚のスイッチになったのだろう。


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さらに掛け上がりを叩いていく。倒木まで順繰りにキャスト。


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手前の浅瀬に向かって掛け上がりになっているライン(左側が急に深くなっていて、170cmは余裕でドボン状態)に沿ってフライを流していくと・・・


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15:11。
42cmのアメマスをキャッチ!


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大きなタランチュラをがっぷり食ってます。

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夕方になるにつれて、高反応が続出。


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そろそろ本日も納竿の頃合いだ。
山の中は夜の帳も急に降りて真っ暗になるので、ヒグマも心配なのである。


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・・・と思っているのだけど、ドでかいカディスがやたら飛ぶようになってきた時間帯でもある。
ううむぅ。



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15:47!!
1キャスト目で急流脇から横っ飛びで水面を割った一尾。
これまたかっこ良過ぎるアメマスだった。

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#6タランチュラをがっぷり。


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56cm。
恐ろしい走りを見せて、竿がぐいい〜ん、ラインはビイイイィ〜!!とハーディの優しいリール(フェザー)が壊れそうな勢いだった。
もう腕がパンパンだ。温泉に入りたい。

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この日はまたもエゾシカ・ラーメン。




やはりすぐに爆睡。非常に健全。なんとなく夏休みっぽい。




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翌朝も、朝もやの中に立ち込む。




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たまには毛鉤を替えてみるか、と#12を放ってみた。



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このサイズのイワナは相当出るようだ。今回は偶然にも非日常的な釣りを味わうことが出来ているので、また大きな#6サイズのフライに戻した。


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14時、ラスト。雨が降ってきたので早々に切り上げて温泉に入って空港へ、と思い始めた頃だった。
霧の川は生命反応が感じられないような、静寂に包まれていた。
タークタランチュラを、霧の中へ、真正面のずっと奥へとキャスティングした。
着水と同時に、その大きなフライが消えた気がした。霧なのでよく見えない。ロッドを持つ手にガツンと強い衝撃が来た。
魚だ。下流に泳がせていたラインが、あっと言う間に出て行った。



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霧の中から引きずり出した、今日一のトラウト。


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過去最高の魚たちと、ドラマティックな展開に感動した3日間。
ありがとう、北海道。
もっと大きな魚を。もっと美しい魚を。「そこに行けば大きいのが釣れる」・・・そんな予定調和が全く通じないスリルとあてどない希望、そして決して終わらぬ未練が、いつまでも北海道の釣りへとかき立てるのだ。